患者さまより特に質問を受ける内容をFAQにいたしました。受診前のご参考になさってください。

ハードコンタクトを20代から使っています。最近、上まぶたが腫れていると友人に言われます。自分でも以前より上まぶたがたるんでいるのに気付いていましたが、とても気になります。(45歳女性)
お読みした限りでは、眼瞼下垂の可能性があります。他に原因なければ、コンタクトの長期使用により、上まぶたが下垂してきているのです。普通は加齢とともに症状が出てきますが、最近はコンタクトを小学生から使い始めるなど、コンタクト装用開始の低年齢化により、30代でも下垂を訴えるケースがあるようです。コンタクトレンズは、まばたきのたびに結膜を刺激しますし、目の表面の酸素も不足しがちになります。レンズを着けているだけで、目には相当なストレスがかかっているのです。ハードレンズの方がソフトレンズより異物感が強く、まぶたに負担がかかりやすいためか、下垂はハードレンズの使用者に多く見られます。ソフトレンズに変えるのもよいかもしれません。
「目が乾いたかな?」と思うとコンタクトが落ちてしまいます。眼科医には「涙の量が少ない。メガネに切り換えを。」と言われ困っています。涙の量を増やせないでしょうか?
確かに、このようなドライアイの症状の方はメガネに替えるのが一番なのです。でも、メガネで印象が変わることを嫌う人も多いので悩むところでしょう。それでもメガネを作り、コンタクトを装用するのは人前だけ、というようにメガネで過ごす時間を多く取るよう気をつけましょう。涙は「まばたき」によって分泌されますので、まばたきの回数を増やすことです。特にドライアイを訴える方は、パソコンや車の運転を長期間したり、睡眠不足だということも多いので生活習慣の見直しも大事です。点眼薬で涙液を補う方法もありますが、防腐剤の入った市販品より、眼科で防腐剤の入らないものを処方してもらう方が安心でしょう。会社でずっと空調の効いた中で仕事をしているなら、目も乾きがちになります。都市部のOLには、小型のマイ加湿器を机に置く人もいるそうです。アレルギーでコンタクトが「よごれて」「乾いて」ずれる時には、はずしたあとアレルギーの目薬を処方してもらって点眼するか、ワンデーにかえて下さい。
最近、新聞などの細かい字や携帯画面が見にくくなってきました。「遠近両用のコンタクトレンズ」というのがあるそうですが、コンタクトが初めてでもできるのでしょうか?
結論から言いますと、コンタクト歴のない方には難しいケースが多いようです。ただ、全員が使えないかというと、そうでもありません。中には、使えるようになる方もおられます。「仕事上どうしてもメガネをかけたくない」など必要にせまられてという方です。実際、コンタクトそのものに慣れることと、遠近両用に慣れることを、老視が出始めた年齢から同時に始めることに、大変さがるようです。
女性の場合は、老眼鏡を使うのをいやがる人が多く、年々、遠近両用コンタクトの希望者は増えています。最初にお試しができる眼科、コンタクト店で相談なさることをおすすめします。
家族4人(両親&子供2人)の全員が花粉症で春の季節は病院で薬をもらっています。花粉症は遺伝するのでしょうか?(42歳 女性)
花粉症のようなアレルギーにかかりやすい体質は、遺伝しやすいと言われています。しかし、昭和30年代以前には、殆どなかった病名ですので昔から遺伝しやすい病として、あったわけではありません。花粉症が爆発的に増えたのは、やはり日本の自然環境や住環境の変化によるところが大きいと思います。

ところで、ご質問の方は家でペット(犬・猫・鳥など)を飼っていませんか?外来を受診されるアレルギーの方に、ペットを飼っている例がとても多いのです。「うちはこまめに掃除しているし、ペットがいても清潔。」という方が殆どですが、犬や猫はハウスダストやダニの原因になりやすく、抜けた毛やフケが家中に飛散しており、アレルゲンの除去は大変です。ペット愛好家には、悩ましい問題ですが、スギ花粉症の時期に検査で、ペットがアレルギーの原因だとわかることが多いようです。

小学生の子供が目を細めて物を見たり、「黒板の字が見づらい。」と言います。メガネをかけずに、治したいのですが・・・(38歳 女性)
お子さんの近視は、進行を遅らせる習慣をつけることが大切です。「最近急に視力が落ちたみたい。」という場合、生活習慣に変化はなかったでしょうか?携帯やパソコン、ゲーム等をする時間が増えていないか、チェックして下さい。DS等、小さな画面を凝視しるゲームは要注意です。塾等で勉強時間が増えた場合は減らすのが難しいかもしれません。しかし、夜型から朝型の勉強にできるだけ切り替えたり、机の照明も目に優しいものに変えてみます。夜ふかし、睡眠不足も大敵です。目の近くでの作業がほとんどを占めている現代の生活の仕方に原因があるのです。ただ、子供は自覚がないことが多いので、親御さんが気を付けてあげなければなりません。